リハビリ難民の駆け込み寺!『TherapiCo-セラピコ-相模原』が想う真のリハビリとは?

リハビリ難民の駆け込み寺!『TherapiCo-セラピコ-相模原』が想う真のリハビリとは?

リハビリって聞くと、病気やケガで身体に障害を持ってしまった人が通う施設ってイメージですよね?橋本で開業したばかりのリハビリセンターが、一般的な自費リハビリやデイサービスとちょっと違うと聞いて取材してみたら、技術力はもちろん、熱い想いがすごく共感できるものでした!身体や心に悩みを持つすべての人に知ってほしいので、ガッツリご紹介いたします!

TherapiCo-セラピコ-相模原について

やって来たのは橋本駅南口徒歩9分。住宅街の一角にある、医療モール塚田クリニックハウス1Fの『TherapiCo-セラピコ-相模原』

ここは脳卒中に特化したリハビリセンターで、自費リハビリデイサービスが2大事業になっており、対企業の健康経営支援にも力を入れていらっしゃいます。利用対象者は脳卒中だけでなく、パーキンソン病や人工関節、スポーツ障害など多岐にわたるそう。ちなみに、セラピコの由来は、共に(Co)治療(Therapy)というCo-Therapyが語源となっています。

リハビリを行うスタッフは全員理学療法士で、技術力や人間性が良くわかっている知り合いを雇用することで、理想のサービスを作れるのだとか。

出迎えてくれたのは、笑顔いっぱいの代表・小曽根さん。

小曽根 龍一(こそね りゅういち)さん経歴

生まれは東京、働き始めてから神奈川へ。理学療法士の資格を取得後、病院で7年間勤務。その後転職し、訪問リハビリを2年間経験。さらに、自費のリハビリ、放課後等デイサービス(子どものリハビリ)、コンサルなどを2年間経験したのち独立。『TherapiCo-セラピコ-相模原』を2024年4月に開業しました。

病院に勤務している時は、毎週末講習会に参加しており、講習費が給料よりかかって赤字になってしまうほど技術を磨いていたという逸話も…!現在は、株式会社TherapiCoの代表でもあり、理学療法士として、リハビリ難民と呼ばれる身体に悩みを持つ方々に対し日々向き合っています。

起業したきっかけを尋ねたところ、「2年間の自費リハビリを行う中で、技術はもちろんだが、人と人との関係性が重要だと気付いた。病院だと理学療法士としては頼られるが、人との関係が深まるにつれて病院でできないことが増えていき、突き詰めていくと自費リハビリの方が利用者の希望通りに対応できると感じるようになった。『これは自分で立ち上げなくては』と考えるようになり、起業するきっかけになった」と、おっしゃっていました。

自費リハビリ

この施術室では、セラピコの2大事業のうちの1つ、自費リハビリを行っています。まずは自費リハビリについてご紹介していきましょう。

病気になって入院した際は、毎日リハビリをするわけですが、退院した後は介護保険を使ってデイサービスなどで週1、2回ぐらいリハビリをする方が多いそうです。ですが、病院とは違い、リハビリのクオリティも下がることが多いとされています。

特に脳卒中の方は、リハビリの量や質によって、予後(病気や治療などの医学的な経過についての見通し)がまったく変わってくるそうです。つまり、将来的にどれぐらい動けるかどうかが直結してくるため、できるだけ早く、質の高いリハビリを行う必要があるのです。

麻痺を良くするため、退院後のリハビリを求める患者さんは多いそうですが、しっかりとリハビリを受けられる施設が無いのが実情なのだとか。これは“リハビリ難民”と呼ばれていて、主にそういった方たちに向けてリハビリを行っているのが同院というわけです。

小曽根さんが考える“リハビリ難民”

リハビリ難民とは、リハビリをしたくても、さまざまな事情でリハビリができない方々のこと。また、身体に限らず、「自分らしく生きられていない」人のことも指します。

退院した後はデイサービスと訪問リハビリのみ(体操リハビリやマッサージのみ)という方が多く、自費のリハビリ施設はここ最近ようやく出始めてきた段階。自費リハビリは、利用者にとって最後の頼みの綱となっています。

同院の自費リハビリ利用者のビフォーアフターの動画を見せてもらいました。左手が麻痺して右手と同じように動かせない状態で、病院からも「元に戻るのは難しい」と言われていたそうですが、約2ヵ月(週1回2時間)通ったらほぼ元通りに動かせるようになったそうです。小曽根さん、すごい腕利きですね…!

自費のリハビリは1回2時間、完全マンツーマンで、病院以上にじっくり診ていただけるのが嬉しいポイント。

薄暗い落ち着く個室も完備

保険外のため、1回2時間24,000円と高額になりますが、それでも良くなるために通う方が多いのだそうです。たしかに、先ほどのビフォーアフターの動画を見るとそれだけの価値があると思いました。

自費リハビリと病院のリハビリは何が違う?

病院勤務時代の経験を経て、病院では本当にやりたいことにコミットできるかというと、できないことも多いそう。ですが同院の自費リハビリであれば、利用者にコミットできて、極端に言えば何でもできるのだとか。

例えば、一緒にボルダリングジムに行ったりすることもできます。現に、右側に軽い麻痺を持つ人がボルダリングをやっていて、「右手がシュパッと出ない」「右足の最後のふんばりがきかない」などの悩みに対して、具体的なアドバイスや、動作の練習や分析をその場で行ったり、いろいろな地域資源と繋いで自由に調整できるのです。「やりたいなと思ってもできないことが、ここにはない。利用者が求めることに対して、こちらに資源さえあれば何でもできるのが強み」と小曽根さんは言います。

リハビリ難民とは?

小曽根さんの“リハビリ難民”の定義は、身体だけにとどまりません。退院後のリハビリを求める利用者はもちろんですが、
・研鑽を高めているのに孤立していく人(セラピストやどんな仕事でも)
・仕事を人生の一部として楽しめていない人
・学校や社会に馴染めず孤独を感じる人
こういった人たちも、小曽根さんにとってはみんなリハビリ難民だと言います。

自費リハビリとデイサービスを併用している利用者の声で、「デイサービスが苦痛で仕方ない」「お茶とお菓子はいらない」「脳トレはしたくない」といった、リハビリを強く求めるからこその異分子感を持ってしまったという方が多くいらっしゃったのだそう。そういった少数派の居場所、リハビリを頑張っている方が集まれるようなコミュニティーを作りたいと思ったことも、起業するきっかけになったそうです。

また一方で、自己研鑽に励んでいる理学療法士や、セラピストたちの居場所作りも考えのひとつにあるそうです。小曽根さん自身も、病院職員時代に自己研鑽に励んでいたそうですが、やればやるほど意識的にも技術的にもまわりとの差がついていってしまい、孤独感を感じることが増えていったのだとか。腕が上がっても、頑張っても給料は上がらない。やればやるほど矛盾していく社会の仕組み。ある意味、そういったセラピストたちもリハビリ難民だと考えていらっしゃいます。つまり、リハビリとは単なる身体の機能回復だけではなく、「自分らしく生きるために行う活動のすべてがリハビリである」ということが小曽根さんの想いなのです。

介護保険が使えるデイサービス

さまざまなリハビリ難民の居場所を作るべく、2024年7月から新たにスタートしたのがデイサービス。自費リハビリだと費用的になかなか難しい方もいるため、介護保険がきくデイサービスも利用できるようになりました。午前と午後の半日型で分かれていて、それぞれ3時間ずつ10人定員で行います。保険適用なので料金は1回1,000円もかからないのだとか!

理学療法士は計3名。リハビリに関わる全員が理学療法士というのがポイントです。それと、生活相談員としてケアマネージャーも常駐しています。生活相談員は脳卒中当事者で、小曽根さんが担当していた患者さんだったそう。生活相談員ご自身が脳卒中当事者だと、同じ立場でさまざまな相談ができるというわけですね。

脳卒中ではなくても、機能をもっと高めていきたい人にもおすすめだとか。一般的なデイサービスは、集団体操など高齢者向きの内容が多く、理学療法士が1人しかいないところもあるそう。ですが同院なら、30分〜1時間程度はマンツーマンでリハビリができるメリットもあります。デイサービスですが、「仕組みとしても病院と遜色ないレベル。何よりスタッフの質の高さは病院以上です」と、小曽根さんも胸を張ります。

最近は機能訓練特化型のデイサービスも増えてきており、筋トレマシンを置いている施設も多いそうですが、ここにはそういったマシンはほぼありません。人の手と自主トレだけでリハビリをするように心がけているのだとか。

それは、利用者がかんたんに家でもリハビリできるようにするためなのだそうです。「ここに来ないとできないことばかりだと、機能を良くするということを考えたときに不十分なため、あえて市販品を使っています」と小曽根さんは言います。現に、マッサージガン(筋膜リリース)、電気治療器などはネット通販で安価に買えるものしか置いていません。最近の市販品は、専門職の目から見てもクオリティの高い機能が付いているので安心して紹介できるそう。マンツーマンでトレーニングを指導しつつ、自分でもできるように自主的に行ってもらうのが目的なのだとか。

「介護保険ですべてまかなえる。そして日々の生活の中で、自分でトレーニングをして良くなっていくのが理想です。自費のリハビリやデイサービスに通うと、お金もかかるし何より時間も取られる」と、リハビリも効率良く行って欲しいと小曽根さんは言います。

デイサービスの利用者層は?

高齢者だけではなく、脳卒中、パーキンソン病、脊髄損傷など、特定の病気の方は40歳以上だと介護保険が使えるため、若い方も多くいらっしゃるそう(リハビリ難民はむしろ働き盛りの40〜60代の方が多い)。

デイサービスを行う空間にも小曽根さんのこだわりが詰まっています。空間デザイナーに依頼をして、リハビリを頑張りたい人に向けて、床に芝生のような緑を入れてスポーツジムのようなカッコよさを演出してもらったそうです。アクティブな印象ですよね。

また一方で、ベージュの部分は守られる空間といった“居場所”も確保しており、生活相談員もそこに滞在しています。レンガの壁紙やキャンプ椅子を取り入れることで、少しレトロな雰囲気もあり、あたたかみのある空間になっていますよね。限られた空間の中でも、頑張れる場所と、くつろげる居場所、それぞれの役割を両立させているのですね!

「雑談の中で大事な話が出てくる」と小曽根さんは考えていて、より深い話はそのまま生活相談員と話せるように、隣の個室への動線も確保しています。

お得な自費リハビリの初回体験!

「ちゃんと改善する」のがセラピコの技術力。発症から何年か経っても改善する可能性があり、自費リハビリやデイサービスを選択できるという、「可能性と選択肢を知ってもらいたい」と小曽根さんは強く語ります。

まずは、1回(2時間)24,000円の自費リハビリが5,000円になる初回体験でお試しください!体験リハビリからの成約率は脅威の97%を誇るそうで、2時間でも効果があると実感できるものになっているとのこと!LINEやお電話でお気軽にお問い合わせください。
042-816-3180
TherapiCo-セラピコ-相模原 公式LINE

目の前に専用駐車場も完備されていますよ。

健康経営支援

自費リハビリとデイサービス、そして対企業の健康経営支援についても力を入れています。リハビリは入院や病気にならないとしないものですが、予防できるならするべきですよね?「働きながらでも改善や予防することはできないか」と、小曽根さんは言います。

腰が痛いなぁと思っても、たまに整体へ行くぐらいですよね。本当はちゃんとリハビリを受ければ改善することもできるはずですが、これもある意味リハビリ難民の一角。そういった人たちも、かんたんなリハビリで予防できたら良いと考えていて、職業病といったものをなくせるように、組織風土を変えていきたいそうです。

「仕事とプライベート、どちらかを犠牲にしていると思っている人も多いはず。どちらも大事にして両立できる人が増えたほうが、良い社会になると考えています。そのためには、まずは身体の健康が大事。従業員のために企業が健康面を考えてくれているのであれば、安心して働くことができるはず」と、小曽根さんは語ります。

また、「リハビリは脳や身体の仕組みを熟知する必要があるが、知れば知るほど、この仕組みは企業の組織のあり方と似ている。例えば、右膝が痛い原因を探してみると、本当の理由は右肩だったりする。直接的に原因がそこにあるとは限りません。企業で問題が起こると直接的な原因を探そうとするが、良くなるきっかけや仕組みをこちらで考えて作ってあげて、結果的に当事者で解決できるようになるのが一番良い」と言います。これは、リハビリでも同じことが言えるそうで、一時的な対症療法ではなく、根本的な治療・自己修復が大切だと考えていらっしゃいます。

小曽根さんの想い

同院の理念の一つ「福祉の境目を溶かす」

医療や福祉の現場や仕組みを見てきて、医療職と患者の境目が明確に分かれていて、そこに強弱の差を感じると小曽根さんは言います。医療職の立場だと、どうしても患者に対して上からになってしまう。また、患者の立場だと、福祉の中にいるとそのサービスが当たり前になっていき、時に横柄な態度を取ってしまうことも…。

ですが、人との対話が増えていくことでその境目が溶けてくる感覚があったそうです。境目を溶かしてなくしていくのが小曽根さんの願いです。それを形にしたのが入口すぐに飾られている樹。この樹の中では、すべての人が同じ「1人の人間」として目標や願い事を懸けることになっています。

「手を動かすこと」を目標にしている利用者もいれば、「ゴルフで70台を出す」といった個人的な願い事などでも良いんです。「利用者も、医療や福祉に携わる人間も、ともに目標を立てて一緒に進んでいくべきで、もっと言えば、違う業種・業界や、組織の内・外の垣根も無くしたい」と小曽根さんは言います。

「人の幸せは人の数だけありますが、不幸は万人に共通していると考えています。それは『孤独』です。リハビリで頑張る人、自己研鑽に励む人、すべての仕事にやりがいや生きがいを持って頑張る人が、孤独にならない社会にしていきたいです。ワークライフバランスではなく、ライフワーク(自分の人生をかけられる仕事)が作れる・できるように、そういった人たちを増やしていきたいですね」と、爽やかな笑顔で語ってくれました。

リハビリを頑張るすべての人に

福祉カーニバルin橋本の運営委員でもあった小曽根さん。「福祉がテーマで集まるけど、ちゃんと楽しめるお祭りを目指したら、それが大成功に終わりました。来年はサン・エールさがみはら全体を借りてイベントできないか計画中です」と、前回より規模を拡大して予定されているそうです。

地域の福祉について楽しく知ろう!『福祉カーニバルin橋本』が6/2に橋本公園とサンエールさがみはら第2研修で開催

公開日: 2024.05.29

6/2、11:00~15:00に橋本公園と、サン・エールさがみはら第2研修にて、「社会参加と地域交流!」「地域の福祉事業者と顔見知りになってもらいたい!」をテーマに実施されるイベント『福祉カーニバルin橋本』が開催されます。…

障害を持った後に一番何が辛いかというと、「役割を失うこと」だと、利用者から聞いたことがあるそうです。「ありがとうを言われる機会がすごく減って、ありがとうを言うばかりになる。そして、ありがとうとすみませんがセットになってしまった。これが何より苦しい」と…。

小曽根さんは、障害を持った方たちにも、役割を持って誰かに貢献ができるようになる居場所をデザインしていきたいとおっしゃっていました。身体の障害をケアするだけではなく、本当の意味での「障害を取り除く」ということに繋がるように。

小曽根さんは同院のすぐ近くに住んでいて、1歳3ヵ月の娘さんがいらっしゃいます。子どもが生まれたことで、さらにこの地域に愛着がわいてきて、より良くなっていって欲しいという想いが強くなっていったそうです。

「娘に恥じない背中を見せたい」。小曽根さんがデザインするこの場所は、すべてのリハビリ難民が自分らしく生きられるヒントを教えてくれるのではないでしょうか。私には彼が、名セラピストであり、人生の名デザイナーのように見えました。

脳卒中特化型リハビリセンター TherapiCo-セラピコ-相模原

※情報は取材当時のものです。来店の際は公式情報をご確認ください。

住所
神奈川県相模原市緑区橋本1-17-20 塚田クリニックハウス1F
アクセス
橋本駅南口 徒歩9分
営業時間
8:30~17:30
定休日
日曜日
電話
042-816-3180
備考
専用駐車場あり
店舗情報を開く

WRITER

ジャーニー編集長

ジャーニー編集長

記事一覧

八王子ジャーニーの編集長です!相模原ジャーニーでもちょいちょい顔を出してます!